StrutsからSpring移行|転職で読まれる3つの記録
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

Strutsで作られた業務システムをSpringへ移行した経験を、転職の選考でどう語ればよいか迷う人が少なくありません。移した画面の本数を数えても、判断の中身までは伝わりません。認証や入力チェックといった共通処理をどう作り替えたかという設計の判断こそが、選考で見られる部分です。
転職によって賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%です*1。同じ移行経験でも、伝え方によって評価が分かれる余地があるということです。何をどう作り替えたかを、自分の言葉で説明できるようにしておく必要があります。
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この記事のポイント
- 転職入職者のうち、賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%です。増加が減少を上回りますが、差は一律ではありません*1。
- 2025年の転職者数は330万人でした。同じ移行経験を持つ人は他にもいるため、語り方の差が選考の分かれ目になります*2。
- 画面を何本移したかではなく、認証・画面遷移・入力チェック・例外処理といった共通処理をどう作り替えたかを説明できるかどうかが、評価の分かれ目になります。
1. Strutsからの移行は、画面数ではなく設計判断で評価されます。
Strutsを使ったシステムをSpringへ移行した経験を転職で評価してもらうには、画面を何本移したかではなく、認証や入力チェックといった共通処理をどう作り替えたかを語る必要があります。厚生労働省の調査では、転職によって賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%でした*1。同じ移行経験でも、伝え方によって評価が分かれる余地があるということです。共通処理の作り替えは、画面数の多さより、判断の質を映す部分になります。
Strutsで作られた画面は、認証・画面遷移・入力チェック・例外処理といった横断的な処理を、共通のクラスに寄せて作っていることがあります。Spring側でこれらの処理をどの層に置き直すかは、移行のたびに判断が必要になります。
画面を1つずつ置き換えるだけなら、作業量として数えることができます。一方で、共通処理の置き直しは、既存の挙動をどこまで踏襲し、どこを直すかという判断そのものです。この判断の跡が、選考で聞かれる部分になります。
転職の選考では、移行した画面数よりも、共通処理をどう設計し直したかという説明のほうが評価につながります。数を語る前に、何を判断したかを整理しておく必要があります。
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2. 移行の進め方は、一括か段階か並行かで判断が変わります。
既存システムの移行には、進め方の選び方が複数あります。
Strutsで作られた画面数が多い場合、一括での切替は検証の範囲を狭くできる一方、切替当日の影響が大きくなります。段階的に移す場合は、画面ごとに検証できますが、認証や入力チェックといった共通処理を先にSpring側で統一しておく必要があります。
並行稼働で移す場合は、新旧の画面を並べて動作を確認できますが、共通処理を新旧の両方で保守する期間が発生します。どの進め方を選ぶかは、共通処理をいつ作り替えるかという判断と直結しています。
進め方そのものよりも、共通処理をどの段階で統一したかという判断のほうが、転職の選考では説明しやすい実績になります。
進め方の選び方そのものも、判断の一部として説明できます。制約が何で、その制約のなかでなぜその進め方を選んだかを言えると、単に「一括で移した」と言うより具体的な実績になります。
3. 認証・画面遷移・入力チェック・例外処理は、置き換えの中心になります。
認証の仕組みは、既存システム側で独自に作り込まれていることが多く、そのまま移すか、認可の単位を見直すかという判断が生じます。権限の区分をそのまま踏襲すれば移行の手間は減りますが、区分そのものが実情に合っていない場合は、この機会に見直す価値があります。
画面遷移の分岐は、業務の条件によって枝分かれしている場合があります。分岐の意味を1つずつ確認しながら移すか、条件を単純化してから移すかで、後工程の検証量が変わります。
入力チェックは、項目ごとに意味が異なるため、まとめて機械的に移すと、チェックの抜けや重複が起きやすくなります。チェックの目的を確認しながら、共通化できる部分とできない部分を分けておく必要があります。
例外処理は、エラー画面への振り分けや、ログの出し方まで含めて設計し直す部分です。既存の振り分けをそのまま踏襲すると、新しい基盤の利点が生かせない場合もあります。
4つの処理はどれも、画面の裏側で共通に使われる部分です。ここをどう作り替えたかという説明が、画面数を数える説明より、判断力を伝えます。
移行後にこれらの判断をそのままにしておくと、時間が経つほど記憶があいまいになります。処理ごとに、踏襲した部分と見直した部分を短く書き残しておくと、選考のときにも、その内容をそのまま説明に使えます。
共通処理を配置し直す作業は、フレームワークの機能を比較したり、設定項目を解説したりする話とは別のものです。既存の挙動をどこまで残すかという判断そのものが、転職では実績として評価されます。
4. Strutsの共通処理を、旧仕組みと新仕組みで比べます。
共通処理について、Struts側の旧仕組みとSpring側でどう変わるかを整理します。置き換えるかどうかの判断は、処理ごとに異なります。
【表1】共通処理の移行判断(横断的処理の一覧)
| 処理 | 移行前の仕組み | 移行時の判断 |
|---|---|---|
| 認証 | 独自実装のセッション管理 | 権限区分を踏襲するか、見直すか |
| 画面遷移 | アクションの分岐設定 | 分岐の意味を確認しながら移すか、単純化するか |
| 入力チェック | 項目ごとの検証定義 | 共通化できる部分とできない部分を分ける |
| 例外処理 | エラー画面への振り分け | 既存の振り分けを踏襲するか、ログ出力から見直すか |
表のとおり、4つの処理はいずれも旧仕組みをそのまま移すか、判断し直すかという選択を含みます。踏襲と見直しのどちらを選ぶかは、処理の重要度や利用頻度によって変わります。
共通処理の判断を1つずつ言葉にできれば、画面数を数える説明よりも、設計の判断を具体的に示すことができます。
判断の記録は、個人の作業メモではなく、担当が変わっても引き継げる形にしておくと役に立ちます。転職の場面では、その記録が実績を具体的に示す材料にもなります。
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5. 移行は、棚卸しから切替まで5段階で進みます。
棚卸しの段階では、Strutsで作られた画面の一覧に加えて、認証・画面遷移・入力チェック・例外処理といった共通処理がどこに書かれているかも合わせて洗い出します。
共通部分の設計では、4つの処理をそれぞれ踏襲するか見直すかを決めます。ここで決めた方針が、後の部分移行と検証の量を左右します。
部分移行では、対象を絞って一部の画面から移します。共通処理の設計が固まっていれば、以降の画面は同じ判断を当てはめるだけで進められます。
検証では、新旧の挙動を突き合わせます。共通処理を変更した場合は、変更した処理を使う画面をまとめて確認しておく必要があります。
切替では、残りの画面を切り替えたうえで、旧仕組みを止めます。5段階のうち、共通部分の設計にどれだけ時間をかけたかが、転職の選考で語れる判断の量になります。
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6. 移行経験を伝えるときに、整理しておきたい点があります。
移行経験を転職で伝えるために、整理しておきたい点を挙げます。
移行経験を伝える前に整理する点
- 対象範囲:Strutsで作られていた画面のうち、どの範囲を移したかを明確にします。
- 共通処理の判断:認証・画面遷移・入力チェック・例外処理のうち、踏襲した部分と見直した部分を分けて説明します。
- 進め方の理由:一括・段階・並行のどの進め方を選んだか、なぜその進め方にしたかを整理します。
- 検証の方法:新旧の挙動をどう突き合わせたかを、具体的な手順として言えるようにします。
- 記録の残し方:判断した内容を、処理ごとに短いメモとして残し、後から見返せるようにします。
移行経験を語るとき、画面数だけを伝えると、実際に判断した内容が伝わりません。対象範囲、共通処理の判断、進め方の理由、検証の方法、記録の残し方という5つを整理しておくと、質問にも具体的に答えられます。
転職入職者のうち、賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%でした*1。同じ移行経験を持っていても、伝え方によって評価が分かれる余地があります。
5つの整理点はどれも、移行の作業量ではなく判断の内容を示すためのものです。面接で聞かれたときに、判断の理由まで答えられるように準備しておく必要があります。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. Struts移行の経験は、経験年数が浅くても評価されるか。
A. 評価されます。共通処理の設計にどう関わったかが問われるため、担当した範囲が画面の一部でも、判断の理由を説明できれば評価の対象になります。
Q2. 一括・段階・並行のうち、選考で有利になる進め方はあるか。
A. 進め方そのものに優劣はありません。どの進め方を選んだ場合も、なぜその進め方にしたかという理由が明確であれば、判断力として評価されます。
Q3. 移行後の詳細な設定作業を担当していなくても、経験として語れるか。
A. 語れます。設定作業を担当していなくても、共通処理をどう置き換えるかの検討に関わっていれば、その判断の内容を伝えることができます。
Q4. 転職の面接で、移行経験をどこまで具体的に話すべきか。
A. 対象範囲、共通処理の判断、進め方の理由、検証の方法の4点を、具体例とともに話すと伝わりやすくなります。数だけを話す説明は避けます。
Q5. 一部の画面しか担当していない場合でも、移行経験として書けるか。
A. 書けます。担当した範囲が一部でも、その範囲でどの共通処理に関わり、何を判断したかを具体的に書けば、経験として十分に伝わります。
8. まとめ:移行経験は、設計判断として語れます。
この記事の要点
- 転職入職者のうち、賃金が増加した人は40.5%、減少した人は29.4%です。増加が減少を上回りますが、差は一律ではありません*1。
- 2025年の転職者数は330万人でした。同じ移行経験を持つ人は他にもいるため、語り方の差が選考の結果を左右します*2。
- 認証・画面遷移・入力チェック・例外処理という共通処理を、踏襲したか見直したかという判断が、画面数より評価されます。
- 移行の進め方(一括・段階・並行)と、棚卸しから切替までの5段階のうち、どこで共通処理の設計を固めたかを説明できるようにしておきます。
画面を何本移したかではなく、共通処理をどう作り替えたかを、自分の言葉で説明できるようにしておくことが、転職の選考につながる準備になります。面接では、判断の理由を1つずつ具体的に言えるかどうかが、画面数を数える説明との違いになります。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
*1 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年公表)
*2 総務省「労働力調査(詳細集計)2025年平均結果」(2026年公表)
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