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AngularJSの移行は期限のある仕事|転職での語り方

監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

AngularJSの移行は期限のある仕事|転職での語り方のイメージ写真

AngularJSは長期サポートが終了したフレームワークです。稼働中の画面をそのまま動かし続けることはできても、保守だけで済ませられる期間には限りがあります。動かし続けてきた画面を期限内にAngularへ移行する仕事は、優先度が下がれば後回しにできる通常の改修とは進め方が違います。

DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%に及びます*1。サポートが切れた技術を動かせる人は、この不足のなかで期限を守れる存在として見られます。

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数字で見る、移行という仕事の位置づけ この記事の要約 DX推進人材の不足度 *1 50.1% 「大幅に不足」と回答 IPA調査(2025年度) 移行を担える人材は限られる 45〜49歳の賃金水準 *2 377.9千円 月額・一般労働者 厚労省調査(2025年) 経験を伝える目安になる 転職入職率 *3 9.7% 男女計・産業計 厚労省調査(2024年) 担った後の選択肢になる 期限のある移行を担った経験は、数字と一緒に確かめられます *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

この記事のポイント

  • AngularJSはサポートが終了したフレームワークで、動かし続けるだけでなく期限内にAngularへ移行する仕事が発生します。DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%あり*1、移行を担える人材は限られています。
  • 移行の進め方は一括切替・画面単位の段階移行・新旧並行運用の3つから選び、選んだあとは依存の棚卸し・共通部品の置き換え・退避の判断を管理します。
  • 一般労働者の賃金は45〜49歳で月377.9千円です*2。転職入職率は9.7%で*3、移行を担った経験を次の求人でどう伝えるかも判断材料になります。

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1. AngularJSの移行は、期限のある仕事として進めます。

AngularJSで作られた画面は、サポート終了後も動くという理由だけで放置せず、期限を決めてAngularへ移行する仕事として進めます。IPAの調査では、DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%でした*1。期限が決まった移行を任せられる人材は、この数字が示すほど多くありません。

通常の改修は、優先度が下がれば後回しにできます。AngularJSの移行はそうではありません。サポートが終了した基盤の上で新機能を追加し続けるほど、次の一手を打てる期間は短くなっていきます。

サポートが終了した基盤は、新しい不具合が見つかっても直る見込みがありません。動いているうちは問題が表面化しにくいため、期限を先延ばしにしても目立った支障が出にくいことが、判断を遅らせる原因になります。

IPAの調査では、DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%でした*1。2023年度の62.1%からは下がっているものの、なお2社に1社が人材の不足を訴えています。期限が決まった移行を任せられる人材は、この数字が示すほど多くありません。

移行の進め方をどう選ぶか、選んだあとに何を管理するかの2点が、実際の作業を左右します。

2. 移行作業の内訳を、3つの区分で示します。

AngularJSの移行にあたって実際に担った作業を、棚卸し・置き換え・検証の3つの区分に分けて振り返ります。

移行作業の内訳 30% 棚卸し 45% 置き換え 25% 検証 実際に担当した作業配分の目安であり、統計ではありません これは担当した作業の内訳の目安であり、独自集計の統計ではありません *数値の出典は記事末尾「出典・参考情報」参照

棚卸しには、依存しているライブラリやAngularJSの構文がどの画面に残っているかを洗い出す作業が含まれます。置き換えは、共通で使っている部品に先に手を入れる作業、検証は、置き換えた画面が元の動きを保っているかを確かめる作業です。

配分がもっとも大きいのは置き換えです。共通部品ほど影響する画面が多く、後回しにするほど手直しの範囲が広がるため、早い段階で着手する必要があります。

棚卸しを軽く見ると、置き換えの途中で想定外の依存が見つかり、検証の工程で作業が押し戻されます。3つの区分は独立していますが、順番を守ることで手戻りを減らせます。

画面数が多い規模の移行では、置き換えの配分がさらに大きくなる傾向があります。共通部品を使う画面が増えるほど、1つの部品を直したときに確認しなければならない画面の数も増えるためです。

3. 切り替え方式は、3つの観点で選びます。

AngularJSからの移行には、一括切替・画面単位の段階移行・新旧並行運用という3つの進め方があります。どちらを選ぶかは、画面数や依存関係の複雑さ、業務を止められる時間の長さによって変わります。

画面数が少なく、依存する共通部品も限られる場合は、一括切替のほうが管理する対象が少なく済みます。反対に画面数が多く、部署ごとに使い方が異なる場合は、範囲を区切れる段階移行のほうが、途中で問題が起きても影響を画面単位に留められます。

業務を止められる時間がほとんどない場合は、新旧を並行運用させる進め方が候補になります。旧環境を残したまま新環境を並行して動かすため、切り替えの当日に問題が集中する事態を避けられます。ただし旧環境を保守する手間は、移行が終わるまで残ります。

自動テストがどこまで用意されているかも、選び方に影響します。テストで元の動きを確かめられる画面が多いほど、段階移行や並行運用で細かく区切っても検証の負担を抑えられます。テストが薄い画面が多い場合は、区切りを大きくして一度に確かめる範囲を広げたほうが、検証の抜けを減らせます。

依存の棚卸しは、画面が直接呼び出している部品だけでは終わりません。共通部品がさらに読み込んでいる別の部品や、ビルドの設定ファイルに残ったAngularJSの記述まで遡って確かめておくと、置き換えの途中で想定外の依存に気づく回数を減らせます。

進め方を決める段階で判断を誤ると、あとから区分をやり直すことになり、期限に響きます。決め方そのものを、担った経験として語れるようにしておく必要があります。

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4. 一括・段階・並行の3方式を表で比較します。

AngularJSの移行で選べる3つの方式を、向いているケースと注意点で並べます。

【表1】移行方式の比較

方式向いているケース注意点
一括切替画面数が少なく、共通部品への依存が浅い場合切替当日に問題が集中しやすく、切り戻しの手段を事前に用意しておく必要がある
画面単位の段階移行画面数が多く、部署ごとに使い方が異なる場合移行済みと未移行の画面が同時に存在する期間が長く、共通部品の二重管理が発生する
新旧並行運用業務を止められる時間がほとんどない場合旧環境の保守を移行完了まで続ける必要があり、担当者の負荷が長く続く

表からは、画面数と共通部品への依存の深さが方式選びの分かれ目になることが見えます。一括切替は管理する対象を減らせる一方、切替当日の負荷が高くなります。

どの方式を選んでも、共通部品の置き換えと検証は避けられません。方式によって変わるのは、その作業をどの期間に集中させるかという点です。

対応する人数も判断材料になります。担当できる人数が少ない場合、一括切替は短期間に作業が集中しすぎるため、段階移行で負荷を時期ごとに分散させたほうが、期限までの見通しを立てやすくなります。

5. 段階移行は、5つの手順に分けます。

移行作業の進め方 1 棚卸し 依存するライブラリと共通部品の一覧を作る 2 優先度づけ 利用頻度と依存の深さから移行する順番を決める 3 置き換え 共通部品を先に手を入れ、画面ごとに反映する 4 検証 元の画面と同じ動きになっているかを確認する 5 切替判断 問題が残る画面は先に進めず、退避の判断をする 順番を守ることで、手戻りの範囲を画面単位に留められます

AngularJSの構文が残る画面ほど、依存する共通部品も多く、優先度づけを誤ると後の工程で手戻りが増えます。棚卸しの精度が、その後の4つの手順の速さを決めます。

検証で問題が見つかった画面は、無理に切替を進めず、旧環境に留める退避の判断をします。期限があるからこそ、進めることだけでなく止める判断も同じ重みを持ちます。

5つの手順は、期限までの残り時間に合わせて長さを調整します。残り時間が短くなるほど、優先度づけを厳しくして、影響の大きい画面から先に置き換える判断が必要になります。

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6. 選んだあとは、3つの管理が続きます。

方式を決めたあとに実際に管理したのは、依存の棚卸し・共通部品の置き換え・退避の判断の3つです。

選んだあとに管理した3点

  • 依存の棚卸し:AngularJSの構文や外部ライブラリが残っている画面を一覧にし、優先度を更新し続けます。
  • 共通部品の置き換え:影響する画面が多い部品を先に手を入れ、置き換え後の挙動を関係する画面全体で確認します。
  • 退避の判断:期限内に検証が終わらない画面は、無理に切替を進めず旧環境に残す判断をします。

3つの管理は、方式を一括切替・段階移行・並行運用のどれに決めても共通して発生します。方式によって変わるのは、この3つをどの期間に集中させるかという点だけです。

厚生労働省の調査では、転職入職率は9.7%でした*3。移行を担い切った経験は、期限内に判断を重ねた実務として、次の求人で語れる材料になります。

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7. よくある質問(Q&A)

Q1. AngularJSの移行を担った経験は、転職でどう伝わるか。

A. 期限内に方式を選び、依存の棚卸しや共通部品の置き換えを進めた経緯を、判断の記録として伝えると伝わりやすくなります。結果だけでなく、途中でどの判断をしたかが評価の対象になります。

Q2. 新旧を並行運用する期間は、どのくらいを想定すればよいか。

A. 画面数と検証にかける時間によって変わるため、一律の目安はありません。棚卸しで残った依存の数を先に数え、検証に必要な時間を先に見積もっておくと、期間の目安を立てやすくなります。

Q3. AngularJSの移行を担った経験は、賃金の交渉材料になるか。

A. 厚生労働省の調査では、一般労働者の賃金は45〜49歳で月377.9千円でした*2。この水準を目安にしながら、移行で担った判断の範囲を具体的に示すことが、交渉の材料になります。

Q4. 検証で問題が見つかった画面は、どう扱えばよいか。

A. 期限内に直せないと判断した画面は、旧環境に残す退避の判断をします。無理に切替を進めるより、影響範囲を確定させたうえで次の期間に回すほうが、手戻りを抑えられます。

Q5. 依存の棚卸しは、どの段階から始めればよいか。

A. 方式を決める前から始めます。棚卸しの結果で画面数と共通部品への依存の深さが分かってから、一括切替・段階移行・並行運用のどれに向いているかを判断できるためです。

Q6. 新旧を並行運用する期間中、利用者にはどう伝えればよいか。

A. どの画面が新環境に切り替わったかを、その都度知らせておく必要があります。旧環境と新環境が混在する期間は、利用者が気づかないまま古い画面で作業を続けてしまう場合があるためです。

Q7. 求人票にある「移行経験」は、AngularJSのような場合もどこまで範囲に含むか。

A. 求人票の文言だけでは判断できないため、面談で「対象は特定の技術に限るか、サポート終了に伴う移行全般を指すか」を確認します。棚卸しや検証まで担当した範囲を具体的に伝えると、面接官の基準とのずれを防げます。

8. まとめ:AngularJSの移行は、期限管理の実務として語れます。

この記事の要点

  • AngularJSは長期サポートが終了したフレームワークで、動かし続けるだけでなく期限内にAngularへ移行する仕事が発生します。
  • 進め方は一括切替・画面単位の段階移行・新旧並行運用の3つから選び、実際の作業は棚卸し・置き換え・検証の3区分に分かれます。
  • 選んだあとも、依存の棚卸し・共通部品の置き換え・退避の判断という3つの管理が続きます。
  • DX推進人材が「大幅に不足」と回答した企業は50.1%で*1、移行を期限内に担い切れる人材は多くありません。

移行は、書き直すことそのものより、期限内にどの判断をしたかが問われる仕事です。方式を選んだ理由、途中で見つかった依存への対応、退避を選んだ画面とその理由まで言葉にできれば、転職の場でも実務の記録として伝えられます。

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※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。

出典・参考情報

*1 IPA「DX動向2026」
*2 厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」(2026年3月公表)
*3 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」

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