社宅の退去届はいつまで?提出先と返却物・転職時の段取り
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

社宅を出ると決めたあと、社内に何をいつ届け出ればよいのか、案内を読み返すまで分からないことがあります。退去の時期を伝える期限も、返すものの一覧も、就業規則や退去に関する規程、入居時に受け取った案内文書のなかに書かれていますが、どの書類のどこを見ればよいのかが分かりにくいことがあります。
ここでは、届け出の時期がどこに書かれているか、返すものの一覧がどこにあるか、立ち会いの要否と原状の確かめ方が、どのように書かれているかを見ていきます。
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この記事のポイント
- 届け出の時期は、就業規則や退去に関する規程、入居時の案内文書に書かれています
- 返すものの一覧は、退去に関する規程の別紙や退去時の案内表に記載されています
- 立ち会いの要否と原状の確かめ方は、退去に関する条項に書かれています
1. 社宅を出るときの届け出は、時期が就業規則や入居時の案内に書かれています
社宅を出るときの届け出は、退去の何日前までに出すかが就業規則や退去に関する規程、入居時に受け取った案内文書に書かれています。返すものの一覧や立ち会いの要否も、同じ書類のなかに記載されています。まず読み返す先を1つに絞ることが、最初の作業になります。
出ると決めた時点で最初に必要なのは、退去の意思を社内に伝える作業です。伝える相手は総務や人事など、社宅を管理する部署に決まっています。伝える時期は、就業規則や退去に関する規程に定められた期日から数えます。
期日の数え方は、退去する日を起点にするか、届け出を出した日を起点にするかで、規程ごとに違います。案内文書に「退去日の何日前までに」と書かれていれば、そこから逆算して届け出の期限を決めます。
届け出の書式は、専用の届出書がある場合と、メールや社内システムでの申請で済む場合とに分かれます。どちらの形であっても、届け出た日付が記録として残る形にしておくと、あとで期日を確認する材料になります。
届け出を出した後は、返すものの一覧と立ち会いの要否を確認する段階に進みます。この2点も、届け出と同じ書類に記載されています。
退去の届け出を出す前に、上長にも一声かけておくと、業務の引き継ぎと退去の準備を並行して進められます。届け出そのものは社内の記録として残す作業であり、上長への一声とは別の扱いになります。
2. 出ると決めてから引き渡すまでの流れをたどります
出ると決めてから引き渡すまでには、いくつかの段階があります。最初の段階は届け出そのもので、次の段階は返すものの確認、その次が立ち会いの調整、最後が鍵を含めた引き渡しです。
届け出を出した直後は、返すものの一覧を確認する段階に移ります。一覧は規程や入居時の案内に載っており、鍵の本数や備品の名称まで具体的に書かれている場合があります。一覧と手元にあるものを見比べて、そろっていないものや壊れたものがあれば、この段階で総務に伝えておきます。
立ち会いの調整は、返すものの確認が済んだあとに進めます。立ち会いが必要な規程であれば、日程を決める連絡が来ますので、退去日の前後で都合のよい日を伝えます。立ち会いが不要な規程であれば、鍵を返す方法だけを確認して終わります。
引き渡しの当日は、立ち会いがある場合、部屋の状態を一緒に確認したあとに鍵を渡す順序になります。立ち会いがない場合は、鍵を指定の窓口へ返す形や、郵送で返す形になり、返却が確認できたことをメールで伝えてもらう場合があります。
退去にあわせて、住所が変わることも重なって起こります。住所変更の届け出については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 住所変更の届け出|出す先と控え
3. 社宅の届け出と返すものを、案内の記載箇所で一覧にします
社宅を出るとき、規程のどこを見れば届け出の時期や返すものが分かるかを一覧にします。
【表1】規程で確かめることと、どこに書かれているか
| 規程で確かめること | どこに書かれているか |
|---|---|
| 届け出の時期 | 就業規則の退去に関する条項、または入居時に受け取った案内文書 |
| 返すものの一覧 | 退去に関する規程の別紙、または退去時に案内される一覧表 |
| 立ち会いの要否 | 退去に関する条項、または総務からの案内メール |
| 原状の確かめ方 | 退去に関する条項の記載、または立ち会い時に示される確認表 |
この4項目は、退去に関する規程や就業規則のなかで、別々の場所に分かれて書かれています。1か所だけを読んで判断すると、返すものの一覧を見落とすことがあります。
届け出の時期は、退去する日を起点に数える規程と、届け出を出した日を起点に数える規程があります。案内文書に書かれた起点を確認してから、期限を逆算します。
返すものの一覧は、鍵の本数や備品の名称まで具体的に書かれている場合があります。一覧に載っていないものがあれば、立ち会いの前に総務へ確認しておきます。
立ち会いの要否は、住まいの種類によって記載の場所が変わることがあります。会社が借り上げている住まいと、会社が持っている寮や住宅との違いは、次の項目で扱います。
案内文書が見当たらないときや、記載が古いと感じるときは、届け出を出す前に総務へ最新の版があるかどうかを確認しておくと、期限の数え方の食い違いを防げます。
退去の時期が近づくと、通勤にまつわる届け出も動きます。定期券の精算については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 定期券の精算は在宅で変わる|書面と時期
4. 働き先が変わると、住まいの前提も変わる背景を見ます
厚生労働省の雇用動向調査によると、転職入職率は9.7%です(2024年・男女計)*1。この数字は転職入職率で、社宅の届け出の時期を決めるものではありません。
ただし、勤め先が変わると住まいの前提も変わるという背景は、押さえておけます。今の勤め先が変わらなくても、住まいの契約や利用の形が見直される場面は起こります。
住まいの前提が変わる場面では、届け出の時期や返すものの一覧を、あらためて確認する必要が出てきます。次の項目では、住まいの種類によって届け出の先がどう変わるかを見ていきます。
この調査は転職の入職率全体を示す数字であり、退去に関する届け出に限った数字ではありません。背景として押さえる程度にとどめます。
5. 借り上げの住まいと、社有の寮や住宅とで届け出の先が違います
住まいの種類は、会社が借り上げている住まいと、会社が持っている寮や住宅の大きく2つに分かれます。会社が借り上げている住まいでは、届け出の先が賃貸契約を管理する総務や人事になります。返すものは鍵と、貸主から預かった備品です。立ち会いは、貸主や管理会社が同席する場合があります。
会社が持っている寮や住宅では、届け出の先が寮や住宅を管理する部署になります。返すものは鍵と、社内で管理している備品です。立ち会いは、管理部署の担当者が確認する場合があります。
どちらの形であっても、届け出の先が変われば、返すものの一覧や立ち会いの要否も変わります。自分がどちらの住まいに入っているかを、まず案内文書で確かめておくと、あとの動きに迷いません。
6. 返すものは、鍵と備品の一覧でそろえます
社宅を出るとき、返すものを鍵と備品の2つに整理します。
返すものの一覧
- 鍵:部屋の鍵や共用部の鍵など、退去に関する規程に記載された本数です
- 備品:入居時に受け取った備品や設備で、一覧に名称が記載されています
- 原状の記録:写真やメモなど、立ち会い時に確認した内容の記録です
返すものは、鍵と備品の2種類に大きく分かれます。鍵は部屋の鍵だけでなく、共用部の鍵や郵便受けの鍵まで含まれる場合があり、規程に本数が記載されています。
備品は、入居時に受け取った一覧と見比べて、そろっているかを確認します。壊れたものや失くしたものがあれば、立ち会いの前に総務へ伝えておくと、当日の確認がスムーズに進みます。
原状の記録は、立ち会いのときに残しておくと、あとから状態について聞かれた場合の資料になります。写真を撮っておくだけでも、記録として扱われることがあります。
備品の一覧は、部屋の中にあるものだけでなく、共用の設備が含まれる規程もあります。共用部分の備品まで対象になっているかは、一覧の記載範囲を確認しておくと、範囲の見落としを防げます。
退去のタイミングでは、次の住まいに移るための費用にかかわる話も出てきます。転居の補助については、別の記事で扱っています。
あわせて読みたい | 転居の補助は何で決まるか|確かめる先
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 社宅を出る届け出は、いつまでに出せばよいですか。
A. 届け出の期限は、就業規則や退去に関する規程、入居時の案内文書に書かれています。退去する日を起点に数える規程と、届け出を出した日を起点に数える規程があるため、案内文書に書かれた起点を確認してから期限を数えます。記載が見当たらないときは、入居時に受け取った書類をもう一度読み返します。
Q2. 返すものの一覧は、どこで確認できますか。
A. 退去に関する規程の別紙や、退去時に案内される一覧表に記載されています。鍵の本数や備品の名称まで具体的に書かれている場合があり、手元にあるものと見比べて確認します。一覧に載っていないものがあれば、立ち会いの前に総務へ確認します。
Q3. 立ち会いは必ず必要ですか。
A. 立ち会いの要否は、住まいの種類や規程によって違います。会社が借り上げている住まいでは貸主や管理会社が同席する場合があり、会社が持っている寮や住宅では管理部署の担当者が確認する場合があります。要否は案内文書か、退去に関する条項に書かれています。
Q4. 原状の確かめ方は、どのように書かれていますか。
A. 退去に関する条項や、立ち会い時に示される確認表に記載されています。写真やメモで記録を残しておくと、あとから状態について聞かれた場合の資料になります。記載の形式は規程ごとに違うため、案内文書の該当箇所を確認します。
8. まとめ:届け出の時期と返すものは、案内文書で確認できます
この記事の要点
- 届け出の時期は、就業規則や社宅規程、入居時の案内文書に書かれています
- 返すものの一覧は、退去に関する規程の別紙や退去時の案内表に記載されています
- 立ち会いの要否は、住まいの種類や規程によって書かれている場所が変わります
- 原状の確かめ方は、退去に関する条項や立ち会い時の確認表に記載されています
- 働き先が変わる背景を踏まえても、届け出の時期や返すものの一覧は規程で確認します
退去すると決めたら、最初に確認するのは届け出の期限です。期限を過ぎてから慌てて規程を読み返すより、決めた時点で読み返しておくほうが、あとの段取りに余裕が生まれます。
返すものの一覧と立ち会いの要否も、届け出と同じ書類のなかに書かれています。住まいの種類によって届け出の先が変わる点も、あらかじめ押さえておくと、当日の確認がスムーズに進みます。
原状の記録は、立ち会いの場で残しておくと、あとから状態について聞かれた場合の資料になります。案内文書に書かれた内容を1つずつ確認しながら進めれば、届け出から引き渡しまでを迷わず進められます。
退去の届け出から引き渡しまでの間は、複数の部署にまたがって確認が進みます。総務・人事・管理部署のどこが窓口になるかも、案内文書に書かれた担当の記載で把握できます。
社宅を出るときは、届け出の時期と返すものの一覧を、案内文書でひとつずつ確認しながら進めます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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