社内サーベイの結果は開示される?集計の粒度と転職の判断
監修・編集責任者:牛尾 昭昌(株式会社LASSIC 執行役員)

社内のアンケートに答えたあと、その結果がどこまで返ってくるのかが分からないことがあります。全社の集計だけが配られる職場もあれば、部門ごとの集計まで配られる職場もあります。どこまで開示されるかは、答える前に案内で示されていることが多く、集計の粒度によって決まります。答えた内容がそのまま誰かに渡るわけではない点も、あわせて見ていきます。
社内サーベイで先に効くのは、答え方よりも、集計の粒度がどこまでかを案内で押さえることです。個々の設問の内容は調査ごとに異なるため、ここでは扱いません。
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この記事のポイント
- 開示される範囲は、全社・部門・個人という集計の粒度で決まります
- 個々の回答は、特定されない形にそろえてから集計されます
- どこまで返ってくるかは、答える前の案内に書かれています
1. 社内サーベイの結果は、開示される範囲が先に決まっています
社内サーベイの結果がどこまで開示されるかは、集計の粒度によって決まります。全社の集計までを配る職場、部門ごとの集計まで配る職場があり、個々の回答がそのまま配られることはありません。どこまで返ってくるかは、答える前の案内に示されています。
社内で働き方や職場の状況についてのアンケートに答える場面があります。答えたあとに気になるのは、その結果がどこまで自分たちに返ってくるのかという点です。
返ってくる範囲は、集計をどの単位でまとめるかによって決まります。全社をひとまとめにした集計だけを配る職場もあれば、部門や部署ごとに分けた集計まで配る職場もあります。
個々の回答が、そのままの形で配られることはありません。集計は、誰が何と答えたかが分からない形にそろえてから行われます。人数が少ない単位では、その単位だけを取り出した集計を出さない扱いになることもあります。
どこまで開示されるかは、答える前に配られる案内に書かれています。案内には、集計の単位、結果を共有する範囲、共有の時期が示されます。案内が配られない調査では、実施した窓口に聞く形になります。
ここから、押さえておきたい4点、集計の粒度の3つの層、特定されない形にそろえる考え方、社外の調査という参考、結果が見当たらないときの問い合わせ先という順に見ていきます。
社内で行う調査には、年に1回まとめて行うものと、短い間隔で繰り返し行うものがあります。繰り返し行う調査では設問の数が絞られていることがあり、その分、結果が返るまでの期間も短くなることがあります。どちらの形かによって、結果を待つ期間の見当が変わります。
2. 開示のされ方で見ておきたい4点
社内サーベイの結果について、見ておきたいことを4点に分けて示します。
それぞれをどこで確かめられるかも、あわせて挙げます。
【表1】結果について見ておきたいことと、どこで確かめられるか
| 見ておきたいこと | どこで確かめられるか |
|---|---|
| 開示される範囲 | 答える前に配られる案内。共有先が示されている |
| 集計の粒度 | 同じ案内。全社までか、部門ごとまでかが分かる |
| 共有される時期 | 案内、または調査を実施した窓口 |
| 結果が見当たらないときの問い合わせ先 | 調査を実施した窓口。共有の予定を聞ける |
表の4点のうち、上の2点は結果の中身に関わり、下の2点は結果を受け取る時期と経路に関わります。
開示される範囲は、集計を誰に配るかという話です。全員に配る職場もあれば、管理する立場の人にだけ詳しい集計を配り、全員には要点だけを配る職場もあります。
集計の粒度は、どの単位でまとめるかという話です。粒度が細かいほど自分の職場に近い結果が見えますが、人数が少ない単位では、個人が推測されないように集計を出さない扱いになります。
共有される時期は、調査が終わってから集計を経て決まります。答えた直後に結果が出るわけではなく、集計と取りまとめの期間を挟みます。
結果が見当たらないときの問い合わせ先は、調査を実施した窓口です。案内を配った窓口がそのまま問い合わせ先になります。
社内の情報をどこまで外に出せるかという線引きは、顧客名の扱いでも出てきます。線引きの置き場所は、別の記事で扱っています。
回答が任意か、全員に求められるものかも、案内に書かれます。任意の調査では、答えなかった人の分をどう扱うかが示されることもあります。この点は集計の粒度とは別に、案内で確かめられる項目です。
あわせて読みたい | 顧客名をどこまで出せるか|線引きの在りか
3. 集計の粒度は、3つの層に分かれます
結果がどの単位でまとめられるかを、3つの層に分けて示します。
いちばん下の層は、全社をひとまとめにした集計です。会社全体の傾向を示すもので、最も広く共有されます。全員に配られる集計は、この層に当たります。
真ん中の層は、部門や部署ごとにまとめた集計です。自分の職場に近い結果が見えるのはこの層で、人数がそろっている単位に限って配られます。人数が少ない単位は、この層から外れます。
いちばん上の層は、個々の回答です。この層は、そのままの形では配られません。集計を行う側が処理の途中で扱うもので、共有の対象にはなりません。
層が上に行くほど、扱える範囲が限られます。個人に近づくほど、誰が答えたかが推測されやすくなるためです。
自分の職場の結果が見えるかどうかは、真ん中の層が配られるかどうかで決まります。案内に部門ごとの集計を配ると書かれていれば、その層まで返ってくることになります。
3つの層のうちどこまでを配るかは、調査ごとに決まります。同じ会社でも、調査の目的によって配る層が変わることがあります。
前回の調査と並べた形で示されることもあります。同じ設問を続けている調査では、今回の集計に加えて、前回からの動きが添えられます。並べられる範囲は、配られる層と同じところまでになります。
4. 個人が特定されない形にそろえてから配られます
集計は、誰が何と答えたかが分からない形にそろえてから行われます。回答をまとめる段階で、個人に結び付く情報は切り離されます。
人数が少ない単位では、集計そのものを出さない扱いになることがあります。少人数の集計は、答えの組み合わせから個人が推測されやすくなるためです。何人以上であれば出すという線を、あらかじめ決めている職場もあります。
自由記述の欄がある調査では、書かれた文章がそのまま配られるとは限りません。文章に書き手が分かる内容が含まれることがあるため、要約した形で共有されたり、共有の対象から外れたりします。
誰が答えたかが分からない形になっているかどうかは、答える前の案内に書かれています。案内に、集計の方法と、個人が特定されない形にする旨が示されます。
回答した内容が人事の評価に使われるかどうかも、案内で示される項目です。調査の目的と、結果の使い道が書き分けられていれば、そこで判断できます。
資料をどう名づけて残すかは、集計を受け取ったあとにも関わります。命名をそろえる順番は、別の記事で扱っています。
集計を社外の事業者が行う調査もあります。この場合、回答は事業者の側で集計され、社内には集計されたあとの結果が戻ります。誰が何と答えたかを社内で見られない形にするために、この進め方が採られることがあります。
あわせて読みたい | 資料の命名規則|そろえる順番
5. 働き方の調査は、社外でも同じように行われています
社内サーベイの開示とは別に、社外の調査から検証済みの数字を1つ挙げます。
雇用型就業者のテレワーク実施率は15.6%です*1。これは国土交通省が行っている調査の結果で、公表されている数字です*1。
社外で行われる調査には、結果が公表されるものがあります。誰でも見られる形で出るという点が、社内サーベイとの違いです。社内の調査は、共有の範囲が社内で決められます。
この数字は、テレワークの実施状況について調べたものです。社内サーベイがどこまで開示されるかを示すものではありません。
社外の調査でも、個々の回答がそのまま公表されることはありません。集計した形で公表される点は、社内の調査と同じ考え方です。
働き方についての設問は、社内サーベイにも含まれることがあります。同じ主題を扱っていても、結果が届く範囲は、社内と社外で別々に決まります。
6. 結果が見当たらないときの問い合わせ先を、場面ごとに挙げます
結果が手元に届かない場面を挙げ、それぞれの問い合わせ先を示します。
結果が見当たらないときの問い合わせ先
- 共有の時期が過ぎたと思うとき:調査を実施した窓口に、共有の予定を聞きます
- 全社の集計しか届かないとき:案内を見て、部門ごとの集計を配る調査かどうかを見ます
- 自分の部署の集計が無いとき:人数の関係で出さない扱いかどうかを、窓口に聞きます
- 案内そのものが見当たらないとき:調査の連絡が来た経路をたどり、実施した窓口に聞きます
- 異動して前の部署の結果を見たいとき:配布の範囲を、実施した窓口に確かめます
問い合わせ先を場面ごとに分けておくと、結果が届かないときに迷わずに済みます。考え方は、調査を実施した窓口に聞くという一点です。
共有の時期は、集計と取りまとめの期間によって動きます。予定より遅れることもあるため、時期が過ぎたと感じたら窓口に予定を聞く形になります。
全社の集計しか届かない場合は、その調査が全社の層までを配る設計になっていることがあります。案内を見れば、どの層まで配るかが書かれています。
自分の部署の集計が無い場合は、人数の関係で出さない扱いになっていることがあります。何人以上で出すかという線は、窓口に聞けば分かります。
案内そのものが見当たらないときは、調査の連絡が届いた経路をたどります。連絡を配った窓口が、そのまま問い合わせ先です。
公表される前の資料を誰に渡すかという判断も、似た場面です。宛先の決め方は、別の記事で扱っています。
結果の配られ方も、職場によって変わります。資料が配られるだけの職場もあれば、説明の場が設けられる職場もあります。説明の場があれば、粒度や時期についてもその場で聞けます。
あわせて読みたい | 公表前の資料を渡すとき|宛先の決め方
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 自分が書いた回答が、そのまま上長に渡ることはありますか。
A. 集計は、誰が何と答えたかが分からない形にそろえてから行われます。個々の回答がそのままの形で配られることはありません。扱いは答える前の案内に示されているため、そこで確かめられます。
Q2. 部署ごとの結果が配られないのは、なぜですか。
A. 人数が少ない単位では、答えの組み合わせから個人が推測されやすくなるため、集計を出さない扱いになることがあります。何人以上で出すかという線を決めている職場もあります。
Q3. 結果はいつごろ返ってきますか。
A. 調査が終わってから、集計と取りまとめの期間を挟みます。時期は案内に書かれていることが多く、書かれていない場合は、実施した窓口に聞く形になります。
Q4. 自由記述に書いた文章は、そのまま共有されますか。
A. そのまま共有されるとは限りません。書き手が分かる内容が含まれることがあるため、要約した形で共有されたり、共有の対象から外れたりします。
8. まとめ:開示の範囲は、集計の粒度で決まります
この記事の要点
- 開示される範囲は、全社・部門・個人という3つの層のどこまでを配るかで決まります
- 個々の回答は、特定されない形にそろえてから集計されます
- 人数が少ない単位では、集計を出さない扱いになることがあります
- 結果が見当たらないときの問い合わせ先は、調査を実施した窓口です
社内サーベイで先に効くのは、答え方よりも、集計の粒度がどこまでかを案内で押さえることです。どの層まで配られるかが分かれば、結果が届く範囲と時期の見当がつきます。
※公開中の求人数は時期によって変わります。記事中の求人の傾向は執筆時点のものです。
出典・参考情報
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